生産者のこえ

まゆみ農園 真弓一保さん<第8話>

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好奇心と実行力で生み出す「儲かる農業」。

森田:ひとつ質問。真弓さんからみて、これから私のような農業アドバイザーと一緒にやっていく農業経営者って どういう人物が適していると思う?

真弓:何だろうね、好奇心かな(笑)、それがないと付き合えないと思う。俺、歴史の本が好きなんですよ。 幕末からの話とか、森田さんと飲んで話すと面白い。そういう話ができる農家って少ないでしょう。

森田:それは言えてるかも。

真弓:だから、そういうのがないと、こりこりに固まった農業してたら無理ね。

森田:僕の仕事は好奇心のある受け入れてくれる人に、いつ与えるかってことなんですよ。 月の満ち欠けや作物の生理と同じで、タイミング合せないとおじゃんになっちゃうんです(笑)。

眞弓:そうね。それは言えてる。

森田:この時やんなきゃとか、これ以上遅らせられないとかいうところでせめぎ合いをやってる。

眞弓:バトルやりますからね、「なんでこんげなことせんといかんとか!」って(笑)。

森田:でもそれがやっぱり、成長、前進かなって感じます。うちも大改革していこうと思ってるし。

眞弓:俺も思ったんですよ、変化していかないと農業も生き残れないって。ずっと同じことやっていたら、 絶対だめ。今の現状じゃ、うちもあと10年先はないかもしれん。だから少しずつでも変えながら 後継者に譲っていきたい。

森田:息子自身のスタッフを作るためにも自分で経験を積んで、自分なりのイメージを創りながら 仲間を作らなくてはいけないのよ。

眞弓:本当にそう。そういうのもあって大学やアメリカにやったんだけど(笑)。

森田:僕はね、農業の後継者たちを集めての勉強の場をつくれたらいいなあと思ってるんです。 今、農業大学校行ったって、農業ができない時代だから。

眞弓:あー、そら、本人次第。

森田:僕らも「儲かる農業」をテーマにして、農家さんと一緒に市場に仕掛けていこうと考えています。

眞弓:農協は共販だから、単に持って行くだけ。規格品でいいから、努力も工夫もしないでいい。

森田:そう、農家は甘えて頑張らない。

眞弓:自分で販売するんだから、それなりの努力しないとね、それがおもしろい所なんだよね。

森田:供給側も、組織化の時代ですね。真弓さんは人を雇う習慣を持ってたから、それで規模が大きく なったけど、もうアナログ(経験と勘)じゃダメな時代になって、デジタル(管理と機械化と数値化)に しないと追いつかない。

眞弓:わかる。わかるけど、できない(笑)。

森田:良い品物を安定供給する体制、将来を見据えて人生設計ができる農業、そこを僕は提案したい。 僕が持っているノウハウを忠実にやれば、大体3年位あればマスターできるんです。 真弓さんも工場作って4年になるんだよね。

眞弓:うん、4年目かな。

森田: 約3年で完成した時、真弓さんはもうプツンと切れる寸前まで働いていた。そしたら、息子が帰ってきた、 娘もいる、救われた〜って。そして、今、軌道に乗った。

眞弓:あと1年遅かったら、俺、もう倒れとるかもしれん(笑)。

森田:じゃ、最後に真弓さんの目標をきいて終わりましょう。

眞弓:目標はね、最初に森田さんと話した時に、日本一の人参作りたいって言ったわけ、本当に言ったんです。 覚えてないかもしれないけど。

森田:ちゃんと覚えてますよ。

眞弓:そしたら結構いい結果が出た。後は人参で20haと1億が最終目標。それから先は後継者たい。 うまくバトンタッチできるシステムを作る、それが願い。息子ともどもよろしくね、森田さん。

森田:こちらこそ。これからもバトルしながらよろしくお願いします(笑)。    


2014-07-11 | Posted in 生産者のこえ | No Comments »