生産者のこえ
まゆみ農園 真弓一保さん<第4話>
「とどろき農法」をやって、気づいたこと。
森田:暦と資材を使った「とどろき農法」について、最初どう思いましたか?
真弓:土壌分析をした上で、とどろきの資材を使ってみたらもの凄くいい。 ただ散布量が半端じゃないし、労力もかかる。でもそれが今の結果に繋がっているわけですから。 こんなに美味しい人参ができるとは思わなかった。
森田:違いを感じたのは、いつですか?
真弓:普段、自分の作った人参しか食べないからわからないけど、友達にやるとものすごく喜ばれてね。 日持ちがするし、包丁を入れた時の切れ味が違うって。「真弓さんとこ人参はすごい! 孫がバリバリ食べる。 見てて惚れ惚れするくらい食う」って(笑)。そしたらオイシックスさんで特別金賞という評価をいただいたで、 そうかあーって。
森田:今は肥料設計を元に元肥を使って、ポイントポイントでとどろきの資材を使って予察して、 対策を打つという形でやってくれていますね。資材の量も少し減ってきたでしょう?
真弓:人参だったら、10a当りに使うチッソ、リン酸、カリの量も決まっていて、 それで安定してるからほとんど変わらない。他の農薬は、ほとんど使ってない。今、周辺の農家さんから 畑を買い取ってくれという話が多くて。
森田:新しい畑に植える時は、まだ土壌が整備されていないから、多少は損害が出る。 今年は、そういう所をちゃんと整備したら歩留りが良くなるよ。畑が増えた分、出費も増えたかもしれないけど、 その頃から土壌環境が整って人参の品質も上がって、売上げが伸び始めた。
真弓:うちのエリアは畜産関係が多くて、初めから堆肥ありきの農地。真っ黒い土はできるんだけど ちょっと味が苦くなるんですよ。これあんまり言えないけど(笑)。
森田:それで、土壌を分析して正しい状態で美味しい野菜を作りましょうという所から始まりました。 実際、真弓さんが使う資材の量は、他の人に比べたら微々たるものなんですよ。他の人は何トンも入れてるけど、 この人は何百キロの世界だから。
真弓:まず土壌が変わってきたのと、半年間は土を休ませるんです。夏場は50cmくらい、冬場は70cmまで プラコで土壌を掘り返すから、根の張り方も違う。今年の人参は、ほんとにすごいですよ(笑)。
森田:大豊作だ、今年は(笑)。
真弓:森田さんのおかげ。ただ、栽培暦の通りになかなか散布できないんです。面積が広すぎて(笑)。
森田:その域にまだ達してない(笑)。露地だから大ざっぱなの。
真弓:言ってることはわかるんだよ、天気とにらめっこでしょ。こっちは集中的に1ヶ月で80カ所に植えるわけ。 そうすると、天気のいい時にばぁーっと植えてやる。暦をみると、種まきにいちばん悪い時がある、月の関係で。 そしたら、やっぱり悪いんですよ、これが見事に。占いじゃないけど、よく当たる(笑)。
森田:ある程度、暦に合わせて散布の計画を立てて、長期予報をみたら、今日は1日早くやろうとか 1日遅らした方がいいなっていう予測がたつようになるんですよ。真弓さんは無理だって言ってるけど、 逆にもっと緻密にすれば、面白いほどドンピシャとはまる、まだそこまで行ってないだけ。 面積のせいにしてる。
真弓:まあ、やってみる価値はあるけどさ(笑)。
森田:それが次の段階、計画農業への移行。